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クルト・ザンデルリンク/POのラフマノニフ交響曲第2番

深まりゆく秋を楽しんで(戻る


秋の深まりとともに濃厚なロマンティシズムを持ったラフマニノフの交響曲第2番の似合う季節になってきたようです。 ブラームスもどこか侘しくていいのですけれど、遅れてきたロマン派ラフマニノフの曲もまたこの季節によく似合っていると思いますがどうでしょうか。

ラフマニノフの交響曲第2番については、このザンデルリンクのCDで初めて知りました。 CD時代になって有難たかったのは、曲のレパートリーが飛躍的に広がったことですね。 廉価でさまざまな曲の録音が手に入るようになりました。 このラフマニノニの交響曲もLP時代には今ほどの有名曲だったという記憶がありません。 もっとも僕の場合、廉価盤で登場しないものは知らない、という面はありますけどね。

さて、初めての曲のCDといっても、手にとったときに「ビッ」と予感が走るものってありますよね。 これもそんななかの1枚でした。 今はなき堂島ワルツ堂でした。 KURT SANDERLING の名前を見つけて「オッ」と思ったあと、ラフマニノフの交響曲かぁ知らんけどなぁ・・・でも「ビッ」ときたわけですね。 TELDEC の DEGITAL Experience という輸入廉価盤。 1,000円だったと思います。 当時の1000円の廉価盤はあまりありませんでしたし、、ましてデジタル録音は珍しい存在でした。 1998年頃だったでしょうか。 今、CDを買われている方はいい時代かもしれませんね。

音楽に話を戻しましょう。 この曲、とにかく甘美なメロディがてんこ盛りって感じですが・・・なかでも第3楽章。 これを聴きながら秋の景色を眺めているとうるうるしそうになります。 昔はね、こんな甘ったるい曲は好まなかったのですけど齢をとって好みも変わってきたみたいです。 最初の頃は第2楽章の冒頭がカッコいいなぁ〜って思っていたのですけどね、今秋は第3楽章をゆったりと聴くことに楽しみを見出しています。

この後、この曲が気に入って世評の高い(レコード芸術推薦)ラトル/ロス・フィルのCDを買いましたが・・・スタイリッシュすぎてつまらなく感じました。 面白いを感じたのはロシアのスヴェトラーノフ/ボリショイの演奏。 こちらは土俗的な感じがして大好きです。 ロシアの大地に真っ赤に燃える太陽が沈んでゆくような感じもしますが、ちょっと録音が古く思えるのが難点でしょうか。 その点このザンデルリンク/フィルハーモニアの演奏はこの中間でしょうか、かなりスヴェトラーノフ寄りなんですが、遅いテンポでゆったり・たっぷりと歌わせているのが魅力的です。 しかし甘ったるいメロディもべとべとしすぎない上品さがあります。 メロディ・ラインにそって安心して身をまかせていられます。  もちろん第2楽章や第4楽章のキレの良さもあってカッコ良くもあります。 聴くたびごとにじわじわっと心に沁みてくる演奏だと思います。 
この秋、こんな演奏を聴きながら深まりゆく秋を楽しんでみるのはどうでしょうか。

HMVでAPEXの輸入盤(674円)もあります(2003.10.4)→ココ
ワーナの国内盤(1,000円)はまだ売れ残っているようです(2003.10.4)→ココ