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さて 890円のバッタもんCD付き雑誌の今回は、僕にとって馴染みの薄いショパンのピアノ協奏曲第2番。 第1番のトムシックによるCDは、比較的よく聴く部類にあって、密かに僕のお気に入りの一枚でもある。
さてこの第2番。 期待して聴いてみたが、導入部におけるオーケストラが、やけにせこせことした感じで幻滅。 しかしそれでも気を取り直して聴き進んでゆくと挽回していく。
ショパンのピアノ協奏曲のオーケストレーションは稚拙であるとよく言われる。 スクロバチェフスキーのようにショパン本人の作ではなく、ワルシャワ時代の友人が書いたという説を持つ人もいる。 しかしぼくは存外このオーケストレーションって好きなのである。 特に第1楽章や第2楽章で、ピアノと木管楽器(ファゴット)が美しく絡んでいく。 美しいというよりも、ここは素朴に、でもしっかりとオーケストラと呼吸して欲しいところである。 そんな点において、この演奏は、なかなか良い味を出している。
全体的にピアノは声高にならず、ちょっとそっけない感じだが、こんなフレーズあったのかぁ... なんて気付かせてもくれる。 かえすがえすも第1楽章の導入部とコーダの部分の力みすぎ(?)が残念だと思う1枚。