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ベートーベンの生誕200年を記念し、生まれたという12月16日、生地ボンのベートーベン・ハウスにおける実況録音。 しかもベートーベンが実際に使っていた1815年製のブロードウッド・ピアノをイエルク・デームスが弾いている。
さて演奏だが、演奏そのものよりもまずこのピアノの音に耳を奪われてしまう。
ピアノというよりはハープシコードに近い音である。 ただし音量はたっぷりあって低音もしっかりとしているが、金属的な音であることには違いない。 アクションはハープシコードとは違い、ハンマーで弦を叩くものだそうだ。 あくまでもピアノのアクションなのだろうが、しかし耳で聴く雰囲気はやっぱりハープシコード。 ああ、ベートーベンはこんなイメージで曲を書いていたんだ、ということに思いをめぐらせながら聴いてしまう。 初期の作品であるこのピアノソナタには、こんな明るいイメージがうってつけの響きだ素人ながら思う1枚である。
なおこの時の録音には、晩年のベートーベンが使用していたコンラート・グラーフ製のピアノによるピアノソナタ第32&26番も別のCDで出ている。