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ケルテス/ウィーンフィルのハフナー交響曲 |
ダイナミックなモーツァルト(戻る)
あるオーケストラの演奏会のための予習用として、久しぶりにこのCDを聴いて驚いた。 実にダイナミックで説得力のある演奏だ。
モーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」は、所詮セレナーデを改作した交響曲という軽いイメージを持っていた。 また後期の3大交響曲のような特別な思い入れがあるわけでもない。 軽く聴き流そうと思って耳にしたが、実に堂々として説得力のある素晴らしい演奏に惹き込まれた。
素晴らしい演奏なので2度3度と繰り返し聴くうち、これは何よりウィーンフィルによるモーツァルトである、と強く思うようになったが、どうだろうか。
ケルテスがドライブするウィーンフィルの演奏といえば、ドヴォルザークの新世界交響曲も凄まじい迫力であるが、こちらもどうしてなかなかのものだと思う。 躍動するリズム感、美しいニュアンスを感じさせるメロディ、特に第1・4の両端楽章の終結部などで咆哮するウィンナホルン。 それに中間楽章でのしなやかで優美に歌う弦楽器などなど、ウィーンフィルという楽器をドライブした演奏であるように思う。
肝心の演奏会のほうは生憎仕事の関係で行けなかったのが残念だったが、このようなダイナミックな演奏を再発見したことは幸運だった。
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