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奈良女子大学管弦楽団 ’00 スプリングコンサート

充実のカレリア序曲・組曲戻る


奈良女子大学管弦楽団 ’00 スプリングコンサート
2000年5月20日(土) 14:00 奈良県文化会館国際ホール

シベリウス:カレリア序曲
シベリウス:カレリア組曲
ドヴォルザーク:交響曲第7番 ニ短調 作品70

指揮:井村誠貴(常任指揮者)

期待の井村さんが常任指揮する演奏会であり、珍しいシベリウスのカレリア序曲・組曲が聴けるとあって出かけた。 そのカレリアでの抑制された金管楽器、タイミングの良い打楽器がとても心地良く満足した演奏会だった。

奈良女オケの定期演奏会は年1回12月にあるとのことで、スプリングコンサートと銘打ったこの演奏会はその間を埋めるものなのだが客席が3割も埋まっていなかったのではないか、かなり寂しい。 しかし、カレリア序曲の冒頭から抑制された充実した響きで、おおぉ... と耳を奪われる。 序曲・組曲ともに声高にならず響きが内に満ちているのが立派。 もちろんそれが無難にこなそうとしているのではなく、前向きでひた向きなのが客席に届いている。 ことに打楽器軍団がタイミングが良く、曲の締まりをよく効かせていたように思う。 アマオケなので、楽器の音もどこか洗練されないことも(失礼)、逆にこのシベリウスの曲を演奏するのには良い味を付けていたようにも思う。 そもそもそのような狙いの選曲だったのだろうか。

さてメインのドヴォルザークは、この曲って意外と難しいのね、ってことかな。 ブラームスでは響きが主体で書かれているのと、緻密に書かれているため、音を重ねていけばそれなりに聴けるのだろうが、同時代のドヴォルザークではメロディが主体。 それでも新世界交響曲ならまだ勢いで聴かせることも出来るのだろうが、この曲を聴かせるのにはオケに余裕が必要みたい。 第3楽章では、井村さんのダンスが見られるかな、という期待もあったが、オケが自分のことに精一杯の状況ではこれも難しいかったみたい。 その井村さんのダンスはアンコールのスラブ舞曲第8番で見られたからまっいいか。 第7番もアンコール曲のようにもうちょっと思いっきりやればよかったかな... というのが残念なところ。 しかしシベリウスがとても充実していたので、今後に期待したい。