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六甲フィルハーモニー管弦楽団 第38回定期演奏会 |
中低弦に芯のある強靭な弦楽アンサンブル(戻る)
日時:2014年9月7日(日) 14:00開演(13:30開場)
場所:神戸文化ホール・大ホール曲目:シベリウス/「カレリア」序曲 op.10
シベリウス/交響曲第3番ハ長調 op.52
シベリウス/交響曲第2番ニ長調 op.43 -*
(アンコール)シベリウス/交響詩「フィンランディア」 -*
指揮:松井真之介、森 康一(-*)
オール・シベリウス・プログラム、二人の団内指揮者の特長もよく出た六甲フィルの巧い演奏に大満足。 素晴らしい演奏会でした。 キレの良い動作より第2番をクールにまとめた森さん、粘着質な動作で第3番への共感を表現した松井さん、といった感じだったでしょうか。
それぞれの指揮に見事に追随し表現した六甲フィルにまずブラボー。 オケの響きとしては第2番のほうに立体感を感じましたけれど、個人的には、耳に馴染んだ第2番の演奏より第3番のほうが面白く聴けました。
第1楽章の冒頭より強靭な響きの量うまくコントロールし、艶ののった高音弦に引継ぐと、右腕をぐるぐると廻して盛り上げてワクワクしました。 また途中には中腰になった腰を上下させてリズム感よく盛り上げていくさまなど、指揮の姿を見ていても作品への共感が伝わってくるような感じ。 いつもは気付いた点などをメモに取りながら聴いているのですが、そんなことよりも目の前に繰り広げられる音楽に浸っていたい、そんな感じを強く受けました。
第2楽章も躍動感がありましたし、終楽章ではシベリウスらしいちょっと掴みどころのない音楽が次第に形造られてゆくような感じ。 パワフルで強靭かつよく歌う演奏ながら、これらが緻密にコントロールされていました。 雰囲気で演っているのではない、充実感を感じたしだいです。 管楽器はやや抑え気味でしたが、弦楽アンサンブルがとても巧かったように感じました。 とにかく充実した演奏、作品への共感や愛着といったものまで感じたと思います。 とても面白く聴けました。
これに先立ってのカレリアも同様な感じ。 強靭ながらよく歌い、メリハリ・強弱・緩急を巧くつけていました。 ホルンもよくコントロールされていてよかったですね。 いつも聴いている曲とは違った発見もあって(何か具体的には語る言葉を持っていませんが)こちらも面白く聴けました。
20分の休憩ののち、森さん指揮による第2番は、より洗練された響きでクール、カッコ良い演奏でした。 管楽器のウェートが大きくなったこともあって全体のバランスもより明るい響きになったのかもしれません。 しかしながら中低弦に芯のある強靭な弦楽アンサンブルはそのまま、終楽章の盛り上がりも実にスッキリとした見通しの良さが特徴的。 常に推進力を持った音楽と纏めていました。 言い方は悪いのですが優等生的な演奏だったかもしれません。
しかしアンコールでの森さんは違っていましたね。 熱く燃えたぎるようなフィンランディア。
冒頭の低音金管楽器の底鳴り、ティムパニの重い打音。 しかしキレ良く音楽をドライブしてワクワクドキドキ・・・ 満足感を持って演奏会場を後にすることが出来ました。
今回のオール・シベリウス・プログラム。 大満足でした。
演奏された皆さんお疲れさまでした。 無料での素晴しい演奏会を有難うございました。
今後のご活躍も期待しています。
以下、未稿