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オーケストラ・ソノリテ 第32回定期演奏会 |
聴衆と一体となった演奏会(戻る)
日時:2017年2月19日(日) 14:00開演(13:00開場)
場所:あましんアルカイックホール曲目:ニールセン/ヘリオス序曲
ドリーブ/バレエ組曲「コッペリア」
チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調 Op.74「悲愴」
指揮:木下麻由加
インテンポでコンパクトに纏められた悲愴交響曲が良かったですね。 落着いた明るめのトーンでちょっと淡々としていましたが、それが上品さになっていて、木下麻由加さん、このオケの特長をよく引き出していたのではないでしょうか。
柔らかくしっとりとした第1楽章第2主題、しっかりと間合いをとって淡々と進めて鋭く入った展開部、ストイックでタイトな響きながら落ち着いていましたね。 ちょっと泥臭い感じで始まった第2楽章のワルツでしたが、徐々に盛り上げていって戻ってきたワルツには洗練された感じもしました。 木下麻由加さん、丁寧に振っていらして、オケを手中に収めるというよりも、的確に振ってオケの自主性を導き出していたのかもしれませんね。 大いに盛り上がる第3楽章も見栄を切ったりすることなし。 ティムパニのロールやシンバルも実に控えめな表現でしたが、一丸となった堂々とした音楽となってました。 終楽章もまた煽ったり粘ったりすることなく、淡々と進めてピークを築いてすっと終わったという感じ。
少々物足りないと感じられた方もいたかもしれませんが、特筆したいのはここでのエンディング。 コントラバスのピチカートも控えめ、あっさりと終わったな。。。と思ったものの、木下麻由加さんの腕が止まったままで降りなかった。 固唾を飲んで待つ観客、待つこと何十秒あったでしょうか、ようやく静かに腕が下りてから大きな拍手が沸き起こりました。 ブラボーも。 聴衆と一体となった素晴らしい演奏会となりました。
蛇足ながら第3楽章の終わり。 ちょっと気を緩めたみたいで、腕を降ろしてしまったところでパラパラと拍手が起ってしまい、慌てて腕を構え直して終楽章へといざなったのはちょっと残念でした。
なおこれに先立って演奏されたドリーブのコッペリア、明るく華やかなフランス音楽をソノリテらしく典雅でかつお洒落な演奏に上品に仕上げていました。 こちらも素敵な演奏でした。 麦の穂のバラードでのヴァイオリンのソロもしっとりとした音色でとても巧かったですものね。
冒頭のニールセンのヘリオス、木下麻由加が北欧音楽を研究されているとのことで期待していましたが、ちょっと練習不足だったのかな。 これまでと同様なアプローチで丁寧に進めていたものの、ちょっとオケの響きが溶け合っていない面も感じられました。 しかしながら印象に残ったのはヴィオラの渋いサウンド。 素敵でしたね。 この他の演奏もそうだったのですが、中音弦の魅力的なオケってやっぱいいな、と思ったしだい。
これだけ頑張ったの演奏なのでアンコールなしも納得。 心の中で演奏の余韻に浸りながら、今年初めての演奏会を楽しく過ごすことができました。 皆さん有難うございました。
以下、未稿