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Osaka Pastoral Symphony Orchestra 第1回演奏会 |
大いなる志をもって結成された(戻る)
日時:2017年3月11日(土) 16:00開演(15:00開場)
場所:門真市民文化会館・ルミエールホール・大ホール曲目:バターワース/シュロップシャーの若者
フィンジ/クラリネット協奏曲 作品31
(アンコール)フィンジ/《5つのバガデル》より V キャロル
ヴォーン・ウィリアムズ/ロンドン交響曲【1913年初稿版】《日本初演》
独奏:山本 梓(cl)
指揮:松永健司郎
ヴォーン・ウィリアムズ(RVW)の交響曲を全曲演奏することを目的としたアマオケが大阪で結成、またRVWと同時代の英国音楽も紹介される。 しかも第1回演奏会は、RVWのロンドン交響曲【1913年初稿版】《日本初演》。 通常版の3/4程度の長さとなって演奏時間は60分超となりましたが、ウェットな響きによるロンドンを思わせる風景がたくさん出てきて、RVWをたっぷりと楽しむことが出来た稀有な機会となりました。 月並みながら、いい演奏会でした。
オーケストラは弦楽器が10-9-7-6-4の編成でヴァイオリンを左右に振り分けながらも、チェロとコントタバスは舞台右側に配置。 RVWや英国音楽を紹介しようとする意気込みをもった第1回演奏会とあって腕自慢の若者ばかりで構成されているようでした。
バターワースのシュロップシャーの若者、難しい弱音の表現も巧く駆使してメリハリのある起伏を大きくとった演奏でした。 管楽器奏者の健闘も光ってました。 全奏になるとやや金管がソリッドに響いていたのは狙っていたのでしょうか。
フィンジのクラリネット協奏曲、初めて聴く曲。 山本梓さんのクラリネットは深みのある音色で技巧的なパッセージを楽々とこなしますが、時にソリッドに響いてハッとさせられました。 オケも精力的な演奏でバックアップ、少々窮屈にも感じられた曲でしたが、終楽章はソロもオケも伸びやかになって楽しむことができました。 畳みかけるようなフィナーレも見事。 アンコール曲は弦楽四重奏とクラリネットだったかしら。 柔らかく明るいソロ演奏が素敵でした。 もっと聴きたかったな。
休憩をはさんでいよいよメインのRVWのロンドン交響曲。 低弦からの序奏の開始、深みのある響きが繰り返されて、空気感が漂ってくるみたい。 前2曲とは演奏密度が違いましたね。
ハープによるウェストミンスターの鐘は控えめながらロンドンの喧騒はパワフル。 舞台左に配されたホルンと右側のトランペット・トロンボーン・チューバの対比もあってカラフル。 明るく溌剌とした音楽、音量上がっても潤いが損なわれません。 巧いなぁ(前2曲との練習量の差でしょうか)。 この楽章のフィナーレ、力強くカッコよく決まりました。 1913年版と現行版との違いなど知る由もありませんが、このあともたっぷりとした情感あふれる第2楽章、渋い色合いを感じさせた第3楽章、そして荘厳な終楽章。 ヴァイオリンのソロも巧かった。 そしてに全曲いずれもウェットな響きが基調であったのが RVW らしさですね。
松永さん、終曲のあとじっとしたまま腕がなかなか降りませんでした。 客席もじっと降りるのを待って、拍手。 堪能させてもらいましたので、この後にアンコールは必要ありません。 清々しい気持ちを持って会場を後にすることができました。 さて次回はいつになるでしょうか、期待して待ちたいと思います。 大いなる志をもって結成された皆さんありがとうございました&お疲れさまでした。
以下、未稿