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天理シティーオーケストラ 真夏のオーケストラ!夏休み名曲コンサート |
気軽にクラシック音楽、身近にオーケストラ演奏(戻る)
日時:2018年8月5日(日) 13:00開演(12:00開場)
場所:天理市民会館・やまのべホール曲目:シュランメル/ウィーンはいつもウィーン
ヨハン・シュトラウスU/トリッチ・トラッチポルカ
グリーグ/朝「ペールギュント」組曲より
ケテルビー/ペルシアの市場にて
プライアー/口笛吹きと子犬
アンダーソン/ワルツィングキャット
ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲より第3楽章
指揮者体験コーナー(「運命」冒頭)
ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」より第1楽章
(アンコール)J.シュトラウス/ラデツキー行進曲
独奏:吉田 南(vn)
指揮:安野英之(常任)
気軽にクラシック音楽、身近にオーケストラ演奏を楽しむ企画「夏休み名曲コンサート」も今回で11回目とのこと。 この第1回演奏会、小学4年生で出演された吉田 南さん(2016年現役高校3年生のときにモントリオール国際コンクール最年少3位入賞)を迎えての華やかなステージでもありました。 天理をウィーンのような音楽の街にしたいとの想いは着実に実りつつあるようです。 今年も楽しませていただきました。
オケの弦楽器は対向配置での 8-8-5-5-3 のコンパクトな編成。 ヴァイオリンの両端には高校生でしょうね、天理教音楽研究会弦楽教室に通う女学生も参加されていました。
冒頭、天理をウィーンのような音楽の街にしたいとの思いをこめた「ウィーンはいつもウィーン」で明るくうきうきした気分として開演します。 そしてウィーンの街で楽しくお喋りをしている様子を描いた「トリッチ・トラッチポルカ」、スネアドラムが小気味よいフレッシュな演奏でしたね。 「ペールギュント」の「朝」でオーケストラが今度は静かな朝の雰囲気を醸し出します。 フルートやオーボエの魅力的な響きによる開始、弦楽アンサンブルではそっと切り込む低弦の響きがよかったな。
個人的には「ペルシャの市場」を楽しみました。 当方がクラシック音楽に興味を持った中学生のとき、少ないお小遣いで買った17cmの小さなLPレコード(オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団)で何度も聴いていた曲です。 有名曲ながら実演に接したのはこれで2回目。 明るく大きくメリハリをつけた演奏で、パーカッションでの盛り上げも効いて楽しめました。 隊商の声、オケのメンバーのちょっと恥ずかしそうなくぐもった合唱となってました。 重厚な隊商のイメージでしょうか(個人的には明るく楽しい隊商のイメージですけどね)。
最後に「ワォ〜ン」を元気よく吠えた(吠えさせられた?)「口笛吹きと子犬」、ワンワンと吠えていたオケの皆さんもちょっと恥ずかしかった? しかしそれもこれもご愛敬。 生身の人間が楽器を奏でているのですものね。 「ワルツィングキャット」も抑揚つけた判りやすい演奏でしたが、ここまでくるとちょっと客席もちょっと騒がしくなってきたみたい。
そんな客席を引き締めたのが吉田南さんのベートーヴェン。 ビシッと決めた旋律に若干二十歳ながら深いコクを絡ませてました。 オケのファゴットの絡みも素晴らしかった。 あとで知りましたがゲネではこの曲を演奏しなかったそうですね、ぶっつけ本番でこの仕上がりとは。 演奏後、安野さんに話かけられたときの返答がまだ初々しくて(幼くて?)ギャップが大きいなぁ。
指揮者コーナーで単純に縦に振ってゆけば曲になるよ、と示した「運命」の第1楽章でしたが、客席の騒がしさなどものともせず、キレ良くストイックに引き締めた真っ向勝負。 小型オケ特有の細マッチョな筋肉質な演奏を楽しませていただきました。
ウィーンに始まってウィーンに終わる、アンコールはいつもの「ラデツキーマーチ」。 客席の手拍子も大きく・小さく・ときにはお休みも入れて会場が一体となってのお開き。 今年も楽しませていただきました。 ありがとうございました。 皆さんお疲れさまでした。
以下、未稿