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六甲フィルハーモニー管弦楽団 第47回定期演奏会 |
団内指揮者とオケが一体となった意欲的な演奏(戻る)
日時:2019年3月17日(日) 14:00開演(13:30開場)
場所:神戸文化ホール・大ホール曲目:ドヴォルザーク/序曲「謝肉祭」
コダーイ/「孔雀」の主題による変奏曲 *
ブルックナー/交響曲第3番
(アンコール)ドヴォルザーク/弦楽セレナーデ
指揮:森 康一,高橋茉莉子 *
プログラムに団長さんが書かれている、団内指揮者の指揮のもとで作り上げていく音楽が大事、の言葉どおり指揮者とオケが一体となった意欲的な演奏の数々に感銘を受けました。
とくに今回初めてこのオケの指揮者として登壇された高橋さん、立ち位置をほとんど変えず、動きも腕が主体で曲全体を進めてゆく感じ。 こちらからは見えませんが視線も使って、各パートに指示をあたえているのでしょうね、小気味よい演奏で変奏曲の表情を次々に作ってゆきました。 オケ全体で指揮者を盛り立て、この曲を客席にしっかり届けようとよう、そんな演奏意欲を強く感じた演奏でした。
これに対して森さんの指揮は、指揮台の上で各パートの方を向き、上半身をしなやかに使って曲の表情をつけるもの。 さすがに手慣れた感を覚えますが、それとて指揮者と各パートが一体となって曲を進めて、繋いで、響きを合わせてゆきます。
冒頭の「謝肉祭」序曲、明るい響きを基調に、森さんが各パートに指示を与えながら丁寧にストレートに演奏してゆきました。 フィナーレではギアを上げて覇気を纏った演奏として終了。
ブルックナーの第3番の交響曲。 こちらはとてもよく練られた充実した演奏で、何より美しい演奏にほれぼれとしました。 演奏意欲を感じた素晴らしい演奏に感じ入りました。 練習ではオケ全体で相当話し合われたのかもしれませんね。 なお前曲で指揮されていた高橋さんも第2ヴァイオリン奏者として参加されていました。
第1楽章より堂々とし、かつ美しい演奏に、この曲っていい曲だなぁ、と改めて感じ入りました。 そしてゆったりと呼吸させた第2楽章、抑制のよく効いた金管、落ち着いて充実した弦楽アンサンブルが良かったですね。 回転運動の躍動感が見事だった第3楽章、底力を感じるけれども美しい響きが見事。 中間部での浮遊感もまた素晴らしい演奏でした。 終楽章も勇ましく始まりましたが、パワー一辺倒ではない立体的な演奏としました。 カラフルで何よりここでも美しい演奏に心奪われました。
いずれも指揮者がリードして引っ張ったり、抑え込んだりするのではなく、常に指揮者と各パートが一体になっていて、そして各パート間もまたうまく呼応しあって曲全体を構築し、進めていたのが印象的な演奏会でした。 皆さん素晴らしい演奏を(無料で届けてくださって)ありがとうございます。 そしてお疲れさまでした。
以下、未稿