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奈良女子大学管弦楽団 '19サマーコンサート |
奈良女子大学創立110周年記念事業関連イベントの一環、熱気に満ちた演奏会(戻る)
日時:2019年6月8日(土) 14:00開演(13:30開場)
場所:奈良女子大学・講堂曲目:奈良女子高等師範学校校歌 (*)
シベリウス/フィンランディア
ドヴォルザーク/「スラヴ舞曲集」より第2番、第10番、第15番
メンデルスゾーン/交響曲第4番「イタリア」
(アンコール)メンデルスゾーン/結婚行進曲
合唱:奈良女子大学音楽部 (*)
指揮:木下麻由加(客演)
奈良女子大学創立110周年記念事業関連イベントの一環として開催された演奏会は、大学講堂で立見も出るほどの超満員。 また前回訪れた演奏会では団員の少なさを内心危惧していましたが、新人も20名以上加わったそうで、熱気に満ちた演奏会となりました。
冒頭、音楽部の合唱による現役団員が伴奏をつけた校歌の演奏。 伝統ある女子大らしく柔らかでのびやかな歌声で、格調高さもうまく出ていたように感じました。 校歌っていいのものですね。
団長さんによる挨拶、曲目紹介のあと、仕切り直してシベリウスのフィンランディア。 これがとても素晴らしい演奏でした。 木下さんと奈良女オケは相性が良いのですが、パワフルさには少々弱いところがあるので、巧くまとめてくるのかと思いきや、良い意味で期待を大きく裏切られました。 たっぷりとした冒頭(ここまでは予想どおり)、ティムパニの強打も予想どおりでしたが粘り腰でぐっと引っ張ったのにハッとしました。 続く低弦は3本ながら深くくぐもるような響き、金管管楽器も渋い響きとしてとても立派な演奏。 木下さん、北欧音楽がご専門のとのこと。 時に踏み込んだり、溜めて粘ったり、小技を折り込みながらも、実にスムーズに曲を進めていましたね。 巧い。 オケもまたそれによく応えて、深く沈み込むような低音、木管は朴訥とした響きで割って入るなど、よく耳にする音楽ながら聴きごたえ満点でした。 感動しました。 演奏終了後にブラボーが出たのも納得です。
オケのメンバーチェンジをしてドヴォルザークの「スラヴ舞曲集」。 いずれも朴訥した味わいのある演奏でしたね。 言い方は悪いかもしれませんが、かつてNAXOSのCDで馴染んだ、東欧の田舎オケの雰囲気を感じました。
第2番、たっぷりとして素朴な雰囲気を持ってスタート、木下さんにリードされてとてもバランスよくまとめられていました。 第10番、一番耳馴染みが多い曲かな、でも爽やかさと軽快さを持った演奏。 木下さんがタメをつくったりもしますけれど、臭くならないのが実に魅力的。 よく考えられた演奏だと感心しました。 第15番、軽快ながらもしっとりしてて、木の香りがするような温かみのある演奏で幕としました。 終わってみて、実に素敵な選曲に気づきました。
15分の休憩を挟んでメインのメンデルスゾーンの交響曲「イタリア」。 耳馴染みのある曲ですし、当日朝には偶然バーンスタイン/NYPの演奏を聴いてしまっていて、少々ハードル高めだったので申し訳ないですが、ちょっと雑然とした感じに思ってしまいました。
でもね、第2楽章は秀逸でしたよ。 低弦に芯があって、ヴィオラも奮闘していて、これらがいい味を出していました。 そしてたっぷりと練り込まれた音楽、低弦の縁取りでこの楽章には唸りました。 第3楽章もよかったな。 まずホルンが健闘、やわらかくも張りのある響き、続くフルートもいい味で、じっくりと腰の据わった音楽としていました。 ただ両端楽章はちょっと逸る気持ちが出ていたのかもしれませんね。 ストレートな音楽、といえば聞こえはいいけど、個人的にはもうちょっと練り込みが欲しかったかな・・わっ〜と鳴っていた感じ・・・と、偉そうにすみません。
アンコールは全員が登壇しての結婚行進曲。 ステージ満載となった奏者もさることながら、会場もお馴染みのメロディでヴォルテージが上がって、盛り上がりましたね。 いいお開きとなりました。 皆さんお疲れさまでした。 次回も木下麻由加姉さんの指揮とのこと。 今から楽しみです。
以下、未稿