BQクラシックス My Best Quality Classical Music Site 〜 堅苦しいと思われがちなクラシック音楽を、廉価盤レコード(LP)、CD、アマチュアオーケストラ(ブログ「アマオケ大好き、クラシック大好き」)などで気軽に楽しんでいます。
TOP演奏会感想文廉価LPコンサートホールLP廉価CD資料室掲示板
グシュルバウアーのモーツァルト「雀ミサ」

手堅さと快活さ(戻る

モーツァルトの「雀ミサ」ミサ・ブレヴィス(Missa brevis)。 サンクトゥスとベネディクトゥスの後半での伴奏ヴァイオリンの音形が「チュッ、チュッ・・・」と雀の囀りに似てることより名づけられた教会音楽。

ほんの一時期、モーツァルトの全ミサ曲を全て集めたいと思っていた頃があって、それは財力の関係ですぐに断念しましたけど、その発端になったのがこのレコードです。 こんなにも明るく楽しい雀のミサ曲。 オペラブッファのようで、まさにモーツァルトの本領発揮でしょうか。 このグシュルバウアーのレコードで初めて聴いてからのお気に入りです。

このモーツァルトの宗教曲を集めたレコード
メインの収録曲は「ヴェスペレ」、B面の最初には「アヴェ・ヴェルム・コルプス」が収録されていて、最後に「雀ミサ」の3曲構成。 いずれの演奏も、モーツァルトっぽさを失わずかつしっかりとした演奏といった感じかな。 独唱や合唱(フィリップ・カイヤール合唱団)の各声部も一緒になったオケ(ウィーン・バロック合奏団)が、一つ一つの音をしっかりと重ねてゆきます。 しかしそれが鈍重に陥ることなく、美しく優美なモーツァルトを描き出していて、グシュルバウアーの手堅さを感じます。 なお、1966年ACCディスク大賞受賞だそうです。

さてこの「雀ミサ」。 中でも好きなのは、「グロリア」と「クレド」のそれぞれの演奏前、詞の一節を朗読して(レチタティーボ)から始まるところ。 これがいかにも教会での音楽、って感じで(単純に)気に入っているのですけれど、とにかくひたすらに明るい宗教音楽なのも大きな魅力です。 冒頭のキリエの歌い出しなど「Kyrie eleison」(主よ憐れみたまえ)のなんと明るく歌い上げること。 トランペットも華々しく鳴って気持ちも高揚してくるようです。 そんな明るい音楽なのですけれど、グシュルバウアーは節度を保ってしかも優美さも漂わせています。 もちろんモーツァルトらしい活気を少しも損なうこともありません。 素晴らしい演奏だと思います。 こんな気持ちのいい春、そう雀がチュンチュンと囀るこんな季節にはぴったりかもしれませんね。