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メンゲルベルクのロザムンデの音楽 |
ロマンあふれるロザムンデの音楽(戻る)
日本フォノグラムのフォンタナ・レーベルのクレモナ・シリーズの2枚組で、メインはブラームスのドイツ・レクイエムで、第4面にオマケとして入っていたのがこのシューベルトのロザムンデの音楽。 がぜんこのロザムンデの音楽が面白い。 それにこれはライブ録音である。 ラストには拍手が入っているし、なんと冒頭には、カカン... という音が入っている。 指揮棒を譜面台に叩きつけてオケを集中させる合図の音だろう。 どおってことのない音なのだが、このような音が入っていると何故か嬉しくなってしまう。
さて音楽は序曲、間奏曲第3番、バレエ音楽第2番の3曲のみであるが、メンゲルベルクの音楽の幅の広さをこれでもかこれでもかと押し付けてくるようである。 トスカニーニばりに速いかと思うとたっぷりとルバートやポルタメントをかけて甘さを誇張するのはストコフスキーであろうか、これらがまさに渾然一体となっているのがメンゲルベルクだろう。 序曲はとっても速い、そして強烈にアッチェランドをかけているのに度肝を抜かれる。 しかし一転して間奏曲はルバートとポルタメントのオンパレードである。 どこか妖艶な感じすらする。 バレエ音楽はどこかチャイコフスキーのような濃さがあって爽やかなシューベルトはどこに行ったんだろう。 どこを切ってもロマン溢れる19世紀の残照を感じさせる演奏である。 やっぱりメンゲルベルクはこうでなくっちゃあね。