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ヘブラー、モーツァルト/ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」、幻想曲ほか

新鮮な気持ち(戻る

1973年発売のフォンタナ・レコード(日本フォノグラム)の1,000円盤。 クラシック音楽を聴き始めた頃に買ったものです。 もう30年以上の歳月が流れてしまいましたが、ターンテーブルに載せると、いつも新鮮な気持ちで楽しめるレコードです。 モーツァルトは素晴らしいなぁ、と思うのと同時に、イングリッド・ヘブラーの気品のある演奏の魅力に惹かれます。 クラシック音楽を好きになってよかった、と思えるレコードの一つです。

世の中はデジタル化がどんどん進み、このレコードを買ってから30数年経ちました。 既にアナログのLPレコードは世間では過去の遺物と化し、また世の中も猟奇的な事件が日常茶飯事にように起きる現代。 でも音楽っていいですよね。 ターンテーブルに載せると、これを買った30数年前と変わらずに楽しめるのですから。

とはいうもののこのレコード、これを買った中学生の頃はA面の「戴冠式」ばかり聴いてましたね。 若きコリン・ディヴィスの指揮、ロンドン交響楽団の演奏も快活で心地よいのです。 もちろんヘブラーの気品あるピアノ演奏も素適ですが、伴奏もまたよく聴いていたと記憶しています。

B面には幻想曲とピアノソナタ第14番が収録。 ともにモノラル録音による古い音源ということもあり、血気盛んな中学生にはちょっと(とても?)退屈。 正直なところ、敬遠してました。

しかしながら、馬齢を重ねた結果でしょうね、今ではこれらのピアノ独奏曲もまた凛とした潔さを感じられるようになりました。 まだまだ演奏について論じることができるほど聴き込めていませんが、30数年経ってようやく楽しめるようになったこと、これもまたクラシック音楽の楽しみの奥深さでしょう。

もともと自分の周囲にはクラシック音楽など聴く人などおらず、今では自分の子供にはピアノを習わせたていたりもしますが、自分の親の世代は生活するのにいっぱいいっぱい、こんなサイトを開設していてもクラシック音楽教育とは無縁でやってきました。

でもね、音楽は気持ちで聴くものでしょう。 気持ちで聴くことは誰にだってできるはず。 技術がどうの、演奏がどうの、などと小難しいことを考えず、いつも新鮮な気持ちを持って音楽を楽しみたいものです。