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カラヤン/VPOの「こうもり」(抜粋) |
ガラ・コンサート的な楽しさ(戻る)
ちょっと楽しくなりたいときに引っ張り出すのがこのレコード。 カラヤンがウィーンフィルを振ったシュトラウスの喜歌劇「こうもり」の抜粋盤です。 ガラ・コンサート的で絢爛たる歌と演奏で、実際に小屋(ホール)で見るのとはちょっと違うような気もしますけど、陽気な音楽がふんだんに楽しめます。 カラヤンはこおいうのを振らせるとやっぱり聴かせ上手ですね。
キングレコードのカラヤン・ベスト1000シリーズの1枚。 1973年発売の廉価盤、いわゆる1,000円盤レコードです。 この当時はアンチ・カラヤンだったので、古い録音まで掘り起こしてまた金儲けか、なんて思って見向きもしなかったものです。
これらカラヤンがウィーンフィルを振ったデッカ録音は、1996年、キングレコード創業65周年記念としてリリースされた1,000円盤CD「LONDON SUPER COLLECTION」で180度見方が変わりました。 カラヤンとウィーンフィルの自己主張がはっきりとし、聴き応えのある演奏に魅せられ、ずいぶんとこのシリーズで集めました。
この「LONDON SUPER COLLECTION」のあと、このシリーズから漏れた録音は、2000年頃に今は無き数寄屋橋ハンターの中古LP100円のダンボール箱の中から救出しました。 10枚ほどありますけど、これもその時に捕獲した1枚です。
とにかくカラヤンのデッカ録音はウィーンフィルの柔らかく美しい響きを存分に発揮した名演が揃っていると思います。さて、喜歌劇「こうもり」は数少ないストーリーを理解できるオペラ(正確にはオペレッタ)で、クライバーのレーザディスクで馴染み、喜歌劇楽友協会で実際の公演(井村誠貴指揮)でも楽しんだ演目です。 一点の陰りもないシュトラウスの音楽は楽しく、カラヤンも持ち前の聞かせ上手なリードでステージ場面を蘇らせてくれます。 ちょっと大仰な感じがしなくもないですけど、ガラ・コンサートと思えば納得できます。 もともと抜粋盤で良いとこ採りですし。 楽しい気分になりたいときにはもってこいです。
蛇足ですけど、ほんと「こうもり」序曲ってよく出来ていますね。 聴くたびにそう思います。 色々な場面の音楽を継いで、序曲を聞くだけでそれらの場面が思いおこさせますし、また場面のなかでは序曲の軽快な感じが蘇ってきます。