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バウムガルトナーによるJ.S.バッハ/ブランデンブルグ協奏曲 |
美しい旋律で奏でられたバッハ(戻る)
ルドルフ・バウムガルトナーが率いるルツェルン音楽祭の弦楽合奏団に名だたる名手を揃えたバッハのブランデンブルグ協奏曲。 ちょっと遅めのテンポで、美しいバッハの旋律が浮かび上がってくる気持ちの良い演奏です。 最近流行りの古楽器演奏ではないけれど、逆に安心して楽しめるのは、年寄りの証拠ですね。
1978年9月の録音。 ソリストとして、ヨーゼフ・スーク(vn)、オーレル・ニコレ(fl)、クリスティアーネ・ジャコッテ(hpsi)、モーリス・ブルグ(ob)という名前が並んでいます。 また第6番のヴィオラ・ダ・ガンバには、平尾雅子さんの名前もありました。 第4番もブロックフレーテによる演奏(ギュンター・ヘラー、ウルリッヒ・ティーメによる独奏)で、古楽器と現代楽器による折衷型の演奏ですね。
いつも言うようにバロック音楽といえばクルト・レーデルやパイヤールで育った世代です。 その時代から古楽器演奏が持てはやされる時代、そして今や古楽器が当たり前の時代になってしまって、一時期、クルト・レーデルやパイヤールは古いスタイルの演奏、などと思ったこともあったのですけど、学術的な興味よりも音楽そのものを楽しもうとするとき、薫陶を受けてきた人たちの演奏が心に沁みるこの頃です。
ところでブランデンブルグ協奏曲というと、アーノンクールが率いるウィーン・コンツェントゥス・ムジクムによるレーザディスクを思い出します。 この演奏も活き活きとしているとは思うのですけれど、アーノンクールの顔が怖いのが先にたってしまいますが(失礼な話なんですけれど)、久しぶりに引っ張り出して見てみたのですけど・・・ この演奏も管楽器は古楽器ですけど、弦楽器は折衷型みたいですね。
比べてみても意味のないことかもしれませんが、第4番のブロックフレーテの入る協奏曲。 ソロのブロックレーテの美しい旋律や、合奏の楽しさはバウムガルトナー盤のほうが断然楽しめましすね。 また冒頭の第1番など、バロック管楽器特有の拡散するような響きのアーノンクール盤に比して、落ち着いた色彩ながら香りたつような柔らかな響きがとても心地よいバウムガルトナー。 旋律線がくっきりと浮かびあがって、掛け合うように絡みあいながら進んでゆく呼吸も自然な感じがします。 美しい旋律で奏でられたバッハ、年寄りにはもってこいです。
ルドルフ・バウムガルトナー指揮ルツェルン音楽祭弦楽合奏団
ヨーゼフ・スーク(vn)、オーレル・ニコレ(fl)、
クリスティアーネ・ジャコッテ(hpsi)、モーリス・ブルグ(ob)、
ギィ・トゥヴロン(tp)、ギュンター・ヘラー(bfl)、ウルリッヒ・ティーメ(bfl)
録音:1978年5月(No.2〜5)、9月(No.1,6)