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メータ/LAPOのR.シュトラウス「アルプス交響曲」 |
豊麗な響きが心地よい(戻る)
1ヶ月ほど前、日曜早朝5:45の「名曲アルバム」で放映された田中良和指揮東京フィルによるR.シュトラウスのアルプス交響曲を偶然見て、演奏・映像ともに素晴らしかったので、手元の音源よりメータとロス・フィルによるレコードを聴き返してみました。
もちろんテレビとは比べ物にならない録音の素晴らしさもあって、しかもステレオのボリュームをちょっと上げてオーケストラの響きに埋もれていると、ほんと気持ちいい。 巨大なオーケストラの豊麗な響き、刺激的なところが全く感じられないのが素晴らしいですね。
最近、ちょっとしたR.シュトラウスのマイ・ブームだけれども、それに拍車をかける名演奏です。この「アルプス交響曲」という曲、新星堂の1,000円CDでケンペ指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団による演奏が初体験でしたが、いかんせんこのCDでは1曲まるごと1トラック。 CDプレーヤでは今どこを演奏しているのか・・・迷子になってしまって、全貌が掴めないまま放置してしまった、そんな苦い経験があります。 それに当時、R.シュトラウスといえばセル/クリーヴランド管によるメカニカルな演奏がリファレンスになっていたので、ケンペの滋味な演奏は受け付けられなかった、そんな事もありました。 情けない話なのですが。
今回、メモリプレーヤに録音した新星堂の1,000円CDによるケンペ盤も聴き返してみました。 とても丁寧な演奏なのですけれど、録音がちょいと不鮮明な感じもして、それが足を引っ張っているような気がしました。
その点このメータによる演奏、1975年のアナログ録音ながら実に優秀録音です。 かえってアナログ録音特有の押し出しの強さ、豊麗さが有利に働いているみたい。 我が家は普及機のステレオ装置だし、カートリッジも普及品というか廉価品なのですが、脂ぎったような響きで当時のメータ/ロスフィルによる躍動感や色気がよく感じられます。 この響きに乗せて繰り広げられる一大スペクタクル音楽絵巻。 酔いしれそう。
今ではこの演奏、同じくロスフィルを振った交響詩「ドン・ファン」と1枚にカプリングされて1,000円盤CDなっていますね。 これもお買い得だと思います。