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ただ楽しむ（戻る）

リーダーズ・ダイジェストによるＬＰ１０枚組（DYNAGROVE原盤、制作：日本ビクター）の箱もの。 古本屋チェーン店のブック・オフで 1,000円で捕獲した。 普通なら家にこのようなセットが置いてあり、クラシック音楽への入り口となっていて、おおっ懐かしい、というぐあいにあるのだろうが... 我が家は貧乏だったため、誰もクラシック音楽なんて聴かなかった。 だからこのようなセット物のＬＰはおろかステレオもなかったのである。 ようやく中学生２年生のころ、真空管式のポータブル電蓄でクラシック音楽を聞き出したが、いきなり教養主義に走ってしまったこともあり、交響曲は聴くけれどフィードラー/ボストン・ポップスの演奏する音楽は長いあいだ見下していた。 そしてようやくこの年齢になり、なんと勿体無いことをしていたのだろうかと、懺悔の気持ちも込めて救出してきたのである。

演奏はどこれをとってもユーモアにあふれて楽しいものばかり。 古き良きアメリカを体験させてくれる。 特にルロイ・アンダーソンの作品集は、彼が長くフィードラーの元で副指揮者兼アレンジャーであったことから、ひとつの規範なっている演奏であるし、グローフェの大峡谷（グランド・キャニオン）もまた評価の高い名演である（教養主義がまだ完全に抜けていないなぁ）。 しかしこういったことを忘れてただ楽しむ、そのためのセット物である。
収録曲は以下のとおり。

１：ラプソディ・イン・ブルー（メロディーの巨匠達 １）

Ａ：ラプソディ・イン・ブルー、マイ・フェア・レディ（教会へ行こう、素敵じゃないの、この娘に慣れた、踊りあかして、君住む街で、スペインの雨、運が良けりゃ）
Ｂ：パリのアメリカ人、舞踏組曲「ファンシー・フリー」三つの舞曲（ギャロップ、ワルツ、ダンソン）

２：大渓谷（メロディーの巨匠達 ２）

Ａ：大渓谷（赤いさばく、山道を行く、日没、豪雨）
Ｂ：ルロイ・アンダーソン傑作集（シンコペイテッド・クロック、ブルー・タンゴ、トランペット吹きの休日、ワルツィング・キャット、タイプライター、サラバンド、ひよこの踊り）

３：嫉妬（ファンタジア）

Ａ：小フーガ ト短調、半音階的大ギャロップ、マチネ・ミュージカル、パヴァーヌ
Ｂ：嫉妬、エスパニア・カーニ、マカレーナの聖母、マラゲーニャ、ジャマイカ・ルンバ、舞踏組曲「三角帽子」〜粉屋の踊り

４：ウィーンの森の物語（ウィーンの香り）

Ａ：円舞曲「ウィーンの森の物語」、エジプト行進曲、芸術家のガドリーユ、喜歌劇「リュクサンブール伯爵」円舞曲
Ｂ：円舞曲「南国のバラ」、ポルカ「観光列車」、愛の喜び、加速度円舞曲

５：ホラ・スタッカート（夢のオーケストラ）

Ａ：ホリデー・フォー・ストリングス、ホラ・スタッカート、ポップス・ボウダウン、チム・チム・チェリー 〜 映画「メリー・ポピンズ」より、熊蜂は飛ぶ、ディキシー、ヤンキー・ドゥードル
Ｂ：叙情組曲 作品54（羊飼いの少年、ノルウェーの農民の行進曲、夜想曲、こびとの行進）、組曲「動物の謝肉祭」（化石、森の奥に住むかっこう、象）、おもちゃの兵隊の観兵式

６：ハロー・ドーリー（ヒット・ソングの花束）

Ａ：思い出のメロディ（タ・ラ・ラ・ブーン・デム、バウリー、ニューヨークの歩道、スィート・ロジー・オグラディ、デイジイ、バンド・プレイド・オン、舞踏会のあとで、今宵なつかしの街で）、ユーモレスク〜故郷の人々、ハロー・ドゥーリー、ビクター・ハーバード珠玉集（ニューヨークの大通り、私には毎日が淑女の日、月光、あなたはあなただから、おもちゃの国、おもちゃの行進曲、キッス・ミー・アゲイン、ジプシー生活）
Ｂ：歌の花束（心配事はしまいこんで、ほほえみ、また逢う日まで、リンゴの木陰で、アイルランドの野ばら、野球見物に連れていって、愛しのアデライン、古風な灰色の帽子をおのせ、町の居酒屋、メイン大学スタイン・ソング）、ワルツを踊る二つの心、飾りのついた四輪馬車、アーカンソーの旅人、抱きしめたい、行進曲「星条旗よ永遠なれ」

７：セプテンバー・ソング（星影のムード・ミュージック）

Ａ：アンド・ジス・イズ・マイ・ビラブド、ただ君一人、ムゼッタのワルツ、サムデイ・アイル・ファインド・ユー、オダリスク、夜は恋のために
Ｂ：夢、スルー・ザ・イヤーズ、アラビアの踊り 〜 組曲「ペール・ギュント」第２番より、ブラームスの子守歌、われらのワルツ、セプテンバー・ソング

８：威風堂々（マーチ・オン・パレード）

Ａ：アイーダの大行進曲、コーネル・ボーギー、トルコ行進曲、行進曲「国の象徴」、ラコッツィ行進曲、行進曲「威風堂々」第１番
Ｂ：アメリカン・サリュート、小さな行進曲、行進曲「サンブル・エ・ミューズ連隊」、貴族たちの行列 〜 歌劇「ムラーダ」より、行進曲 〜 組曲「カレリア」より、忠誠行進曲

９：白鳥の湖（メロディーにのせて）

Ａ：歌劇「エフゲニー・オネーギン」 〜 ポロネーズ、舞踏組曲「ガイーヌ」（子守歌、剣の舞）、組曲「仮面舞踏会」 〜 ギャロップ、舞踏組曲「胡桃割人形」 〜 コーダと円舞曲、舞踏組曲「黄金時代」 〜 ポルカ
Ｂ：オーストリア農民舞曲 作品14（結婚行進曲、木靴の踊り、ザ・ストンパー、豚の踊り、ツー・ステップ）、ブラジル舞曲、メヌエット、舞踏組曲「白鳥の湖」（円舞曲、ハンガリーの踊り、スペインの踊り、ナポリの踊り）

１０：ペルシャの市場（ポップス・コンサートへの招待）

Ａ：歌劇「オベロン」序曲、火花のワルツ、ラールゴ、歌劇「ローエングリン」 〜 第三幕への前奏曲、グロー・ウォーム、フランス軍隊行進曲
Ｂ：歌劇「ボヘミアン・ガール」序曲、ペルシャの市場、ロジャース・ワルツ集（ラヴァー、恋に恋して、なんときれいな朝だろう、イッツ・ア・グランド・ナイト・フォー・シンギング）、ジャズ・ピチカート 〜 ジャズ・レガート