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コステラネッツのホヴァネス・そして神は偉大なる鯨を創りたもうた

熱い感動を呼び起こす(戻る


アンドレ・コステラネッツ、LPレコードが出始めた頃のポップ・クラシカルな作品を録音していた指揮者というイメージが強いのですが、年末(2001年末)に御茶ノ水ディスク・ユニオンでアラン・ホヴァネスの「そして神は偉大なる鯨を創りたもうた(And God Created Great Wheales)」のレコードを見つけました。 First Recording と書かれているので世界初録音盤。 こんなレコードがあるとは知りませんでした。 しかも100円。 ホヴァネスに興味を持っていて、これを見過ごすテはないでしょう。 迷わず連れて帰りました。

ところでこの「そして神は偉大なる鯨を創りたもうた(And God Created Great Wheales)」は、アルメニア系アメリカ人アラン・ホヴァネスにより1970年に作曲された作品。 ザトウクジラの鳴き声とオーケストラの共演という一種のキワモノ的な作品ではあるのですが、神秘的なイメージを備え持っていて、常に自然の神秘といったものを題材にしてきたアラン・ホヴァネスらしい作品といえるかもしれません。 なおこのレコードでは、ブルックリンにあるニューヨーク水族館のクジラの歌(Wheale songs provided by New York Aquarium, Brooklyn, New York)が収録されています。

この曲については、既にジェラルド・シュウォーツ指揮シアトル交響楽団のCDを持っています。 そこで今回、このコステラネッツ指揮によるLPとシュウォーツ指揮のCDで演奏を聞き比べてみたのですが(自宅のステレオでのCD環境はLD/CDコンパチ機なので環境は良くないのですが)、これを差し引いたとしても、断然コステラネッツの演奏のほうが熱い感動を覚えました。 初録音といった気負いもあるからでしょうか、熱くたぎるようなコステラネッツの演奏に対し、冷静なシュウォーツ、といった感じでしょうか。

なお演奏時間的にもコステラネッツのほうが1分ほど速くなっています(11:25 vs 12:21)。 この影響もあるかもしれませんし、オケを鳴らして聴かせるという(アミューズメント的な面においての)テクニックでは、コステラネッツのほうが一段と勝っているような気もします。
しかしそれはともかくとして、この曲がこんなにも熱い曲であったのか、と新鮮な驚きを覚えたことには変わりありません。

ところで、このレコードのB面には、クルト・ワイルの「三文オペラ」から「マック・ザ・ナイフ(Mack The Knife)」が収録されています。 このオリジナル・オーケストレーション(The original orchestration)による演奏は軽快で楽しく、とても素敵な演奏です。 まさしくコステラネッツの本領発揮、といった感じの演奏ですね。 
とてもいいレコードを捕獲しました。

2006/4/10 改版