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エドゥアルト・シュトラウス指揮によるワルツ&ポルカ名曲集 |
チターの響きが美しく楽しい(戻る)
レコード盤に針を降ろすと、チターの響きによる「ウィーンの森の物語」。 この素適な始まりから惹き込まれます。 さすがシュトラウス家の末裔(エドゥアルト・シュトラウスの曾孫)による演奏だな、と心を許して楽しめるレコードです。
1975年10月発売のクラシック名曲ギャラリー特選盤シリーズの17番、1,300円盤です。 今年始めに町田のレコファンで捕獲した1枚で、レコード番号末尾の「VX」から判るようにVOX原盤によるものです。
エドゥアルト・シュトラウス指揮によるレコードでは、この他にも日本フォノグラムのフォンタナ(グロリア・シリーズ:FG-76)も持っています。 「美しく青きドナウ」「ホルカ・風車」が両方に収録されていて、いずれも収録時間が1〜2秒の違いです。 同じ音源かどうかまでは調べていませんが、「美しく青きドナウ」を聴いた感じでは、録音の鮮度がまるで違っていて、VOX原盤に軍杯が上がります。さてこのレコード、冒頭に書いた「ウィーンの森の物語」に続いて、「トリッチ・トラッチ・ボルカ」、「皇帝円舞曲」、「ピチカート・ポルカ」をA面に、B面には「春の声」、ポルカ「風車」、「芸術家の生活」の8曲が収録されていますが、いずれもウィーン情緒を醸し出し、とても美しく、楽しい演奏の数々が収録されています。
冒頭に書いた「ウィーンの森の物語」は、チターの響きが何より素適。 ウィンナワルツの世界にいきなり誘ってくれます。 鳥の囀りを表現したフルートのカデンツァなども魅力的な演奏です。
また「皇帝円舞曲」、こちらもとてもチャーミングな開始。 そしてぐぃと盛り上げてゆく部分にはシュトラウス家の流れを汲んだ自信のようなものを感じたりもします。 チェロの独奏は上品に絡め、そして独特のリズム感によるワルツに突入。 起伏の大きな演奏がいずれもツボにはまってしまいね。 耳に馴染んだ「美しく青きドナウ」さえも軽やかで優雅、心地よい調べに酔わされます。 小難しいことなど考えず、音楽の流れに身を任せ、とても嬉しい気分になるレコードです。