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バルビローリ/チェコフィルのフランク交響曲ニ短調

たっぷりとしてよく歌う(戻る

バルビローリがチェコフィルを振っていたなんて、とCD化されたときに吃驚しましたけど、1977年にLPで再発されていたのですね(調べたら初出は 1969年 OS2139 でした)。 これは昨年、御茶ノ水ディスクユニオンで見つけて持ち帰ったレコードです。 ちなみに 300円。 いい買い物だったと思います。 値段や盤質もさることながら、たっぷりとしてよく歌うフランクの交響曲ニ短調。 最初にこの演奏で聴いていたら、この曲のイメージもさぞかし変わっていたと思った演奏です。

日本コロムビアの「正当をつたえる十人の指揮者たち」という 1,300円盤シリーズの1枚。 1977年5月にリリースされたようです(OC-7118-S)。 スプラフォン原盤で、1962年プラハ芸術の家ドヴォルザークホールでの録音と書いてありますが、録音は落ち着いていますがキレの良さもあって悪くありません。

第1楽章、ゆるやかな序奏、チェコフィルらしい艶を感じますねぇ。 ゆったりと歩みながらしっとりと流麗に盛り上げる、これがバルビローリの持ち味でしょう。
第2楽章、ハープと弦のピチカートに導かれるコールアングレ。 弾力あるピチカートに比してややストレートな感じかな。 でも弦楽アンサンブルが波打つようにうねっているのが特徴的。 緊迫感も合わせもって曲を進め、曲全体が大きな呼吸をしているみたい。
そして第3楽章、弾力を感じさせる開始のあと、ここでもたっぷりと歌わせながらドラマティックに曲を展開。 そして緊張を高めては開放し、歌う。 輝かしいフィナーレで幕を閉じます。

何度も書いていますが、この曲との出会いが良くなかったために、この曲は陰鬱で長らく敬遠してきたのですけどね、バルビローリのこのよく歌う演奏も耳から鱗状態でした。 もちろんクライマックスでの緊張感、緩急もつけて素晴らしい演奏だと思います。 フランクの交響曲ニ短調なんて陰鬱で嫌い、そんな人にお勧めしてみたい演奏です。