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アムステルダム室内合奏団のテレマン/管弦楽組曲「ドン・キホーテ」 |
木の温もりを感じさせるような優しい響き(戻る)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のトップ奏者によって1957年に組織されたアムステルダム室内合奏団のレコードです。
このアルバムは、現在のケンウッドがトリオと言っていた時代にトリオ・レコードとして国内録音・発売されたもので(録音:1968年9月11日、世田谷区民会館ホール)、昨年捕獲したものです。アルバム・タイトルは「J.S.バッハ/管弦楽組曲第2番BWV1067」。 この中には、ヘルマン・クレバースの独奏によるJ.S.バッハのヴァイオリン協奏曲第1番BWV1041、テレマンの管弦楽組曲「ドン・キホーテ」、ペータ・ヘレンダールの合奏協奏曲第2番も収録されています。
いずれの演奏も、木の温もりを感じさせるような優しい響きが特徴的なアンサンブルで演奏されていますけれど、なかでも曲想の面白さもあってテレマンの「ドン・キホーテ」がこのところお気に入りです。このテレマンの「ドン・キホーテ」は次の8つの部分からなっています。
序曲−−ドン・キホーテの目覚め−−風車小屋の襲撃−−ドゥルシネア姫への愛のため息−−はじき上げられるサンチョ・パンサ−−ロシナンテの疾走−−サンチョのロバの疾走−−ドン・キホーテの眠り
各場面がテレマン一流ののびやかでコミカルな音楽として描写され、聴いているとうきうきとしてきます。なおこのアルバムが録音された1968年当時のアムステルダム室内合奏団では名手ヘルマン・クレバースがヴァイオリンを弾きながら指揮していたそうです。
そのこともあってか、フランス風の「序曲」のしっとりとした絢爛さ、軽やかな「風車小屋の襲撃」、「ドゥルシネア姫への愛のため息」での心臓の鼓動を模したリズム感の肌触りの良さ、「はじき上げられるサンチョ・パンサ」での小気味良いアンサンブルなどなど・・・、とても美しく、かつ温かみのあるアンサンブルが堪能できます。
R.シュトラウスの大掛かりなオーケストレーションによるドン・キホーテとは一味もニ味も違った楽しい世界に惹かれています。