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ライナーの歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲

超快速で流麗・情感あふれる演奏(戻る


フリッツ・ライナーを初めて知ったレコードである。 中学生のころにチャイフスキーの大序曲「1812年」を聴いてレコードが欲しくなった。 折から出ていたRCAグランプリ"1000"クラシカルで見つけて買ったのがこのレコード。 「大序曲「1812年」〜オーケストラ名曲集」というタイトルであった。 しかし肝心の1812年は大砲の音が実射の録音ではなく、大太鼓の音だったのでがっかりしたけれど、ルスランとリュドミラの演奏に強い衝撃を受けた。 はげ山もスラヴ行進曲も実に巧い演奏なのだが、このルスランとリュドミラにはまた別格の巧さを感じて、何度も何度もくりかえし聴いたものである。 今回レイボヴィッツのはげ山と比較するための久しぶりにこのレコードを聴いてみたのだが、やはりこのレコードの最後に入っているルスランとリュドミラにはふつふつと沸きあがるものを感じずにはいられなく取り上げることにした。
この演奏、まずとにかく速い。 5分16秒である。 しかしそれがただ単に速いだけではなく、決してはしょって弾き飛ばすようなことなどない。 そしてどこまでも流麗であり、かつ情感が溢れている。 きちんと歌うべきところはしっかりと歌っている。 凄い。 ステレオの前で指揮の真似をしても追いつくことが出来ないというのに(このような経験は誰にもあるでしょうが...苦笑)。 この演奏よりも遅くても早回しのようにせわしない演奏はたくさんあるけれど、これほどまでに美的にきちんと纏められた演奏はないのではないだろうか。 本当に素晴らしい演奏である。 そしてライナー/シカゴとの幸せな出会いであった。