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イヴリン・ロスウェル、サー・ジョン/イタリア・オーボエ協奏曲集 |
夫唱婦随の名演奏(戻る)
イヴリン・ロスウェルは、ハルレ管弦楽団の主席を務めたイギリス屈指のオーボエ奏者であって、ジョン・バルビローリの夫人である。
このレコードはテイチクの廉価盤(1,300円,パイ原盤)として出たもので、いまだに愛聴してやまない1枚となっている。 透明感・清潔感あふれるイヴリン・ロスウェルのオーボエがとても魅力的であるし、またそんな夫人にぴったりと寄り添ったジョン・バルビローリが指揮するオケも優雅でとても優しい。
有名なアルビノーニの協奏曲(変ロ長調、ニ長調の2曲)に、どこか憂いを秘めたかのようなマルチェロの協奏曲の冒頭のソロはちょっと感動的な美しさであるし、アーサー・ベンジャミン(1893-1960)が編曲してイヴリン・ロウスェルの捧げたチマローザもまた拾いものである。 近年はオリジナル楽器やオリジナルの楽譜を使用したものが主流になってしまったが、ここに収められた明るいイタリアの陽光をたっぷり浴びたようなオーボエ協奏曲は、そんなことはまったく度外視し、文句無く楽しめるものである。 音楽を聴く楽しみを味あわせてくれるレコードである。
なおイヴリン・ロスウェル女史はいまだ存命とのことで、1911年生まれだから現在90歳。 長生きしてもらいたいものである。
曲目は以下のとおりA面
アルビノーニ:オーボエ協奏曲 変ロ長調 作品7-3
アルビノーニ:オーボエ協奏曲 ニ長調 作品7-6
B面
マルチェロ:オーボエ協奏曲 ハ短調
チマローザ:オーボエ協奏曲