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コレギウム・アウレウム合奏団によるヘンデル/水上の音楽(原典版全曲)

優雅な響きが素晴らしい(戻る

コレギウム・アウレウム合奏団によるヘンデルの「水上の音楽」、優雅な響きによるアンサンブルが見事です。 レートリッヒ編による新版(ハレ版)での演奏で、全体を3つの組曲とし、それぞれの性格付けもありますが、柔らかな響きで統一された演奏はとても指揮者なしの演奏とは思えませんね。 とにかく「素晴らしい」のひとこと。

1971年7月、お馴染みのフッガー城糸杉の間での録音。 残響が豊かですが、各楽器の音は的確に捉えられていて、とても聴き易い録音ですね。 そして何よりコレギウム・アウレウム合奏団、小編成のアンサンブルがしっとりと纏まっていて、やはりピィとかキィなんて鳴かない古楽器による演奏、楽器の響きが心地よく感じられます。

第1組曲はホルンとオーボエ各2本それにファゴットと弦楽器、第2組曲はトランペットとホルンとオーボエが各2本それと1本のファゴットと弦楽器、そして第3組曲はフラウトトラヴェルソ(Traversfloteと表記)とフルート(Piccolofloteと表記)に2本のオーボエと弦楽器による演奏となっています。 第3組曲には金管楽器を含まず、小編成で繊細な美しい音楽であることから、チェルシー宮殿における晩餐会の音楽との推論にたっているようです。

この第3組曲、今回聴きなおしてみましたが、活気に満ちた前2つの組曲とは違う愛らしい音楽が気に入りました。 「水上の音楽」というと、どうしても高らかになるホルンやトランペット、というイメージが前にたってしまうのですけれど、清楚なトラヴェルソやフルートの響きを耳にすると気持ちが安らぎます。 とてもいい感じです。 大きな収穫でした。

もちろん第1、2組曲の序奏におけるホルンやトランペットもまろやかな響きを醸し出していて極上。 解釈上では斬新な試みもされているようですが、耳に届く響きの心地良さはまた別格ですね。 ほんと「素晴らしい」演奏です。