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POP Music (ムード音楽編) |
いつもクラシックばかり聴いているわけではありません。
歌謡曲、洋楽なども聴いていますが、中途半端に古くてマイナーなのばかりです。
ここでは1950-60年代の洋楽ヒット曲による「世界のゴールデン・ヒット・ナンバー集」(研秀レコード/デッカ原盤)を紹介します。
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第11巻 |
めっきり秋らしくなり「哀惜のムード・郷愁のメロディー」がよく似合う季節となりました。 ジャケット写真もまさにそんな感じです。 ヴィクター・ヤング楽団の「エデンの東」「ライムライト」は不滅の名曲(名演奏)で老舗の貫禄を感じます。 「パリの空の下」はアンリ・ルネ楽団の演奏で、アンリ・ルネのアコーディオンが小粋です。 ロバート・マクスウェル楽団による「懐かしのリスボン」ではロバート・マクスウェルのハープ演奏に伸びやかなフルートが詩情をかきたてます。 B面ではグラディー・マーチンとザ・スルーフート・ファイヴの演奏が素敵ですね。 「テネシー・ワルツ」「愚かな私」、いずれもアルト・サックスが美しくフューチャーされて小粋で明るくってまさしく秋、そんな感じで大好きな演奏です。 映画を思い出すとちょっと哀しくもなりますけど「ジェルソミーナ」のウェイン・キング楽団の演奏も素敵です。 ソプラノ・サックスとストリングスが軽やかです。 歌では1963年3月に飛行機事故で亡くなったパッシー・クラインの「国境の南」が柔らかく情熱的でとてもいい感じ。 将来のポップス・カントリーの女王を期待されたというのもうなづけます。 バール・アイブスはバラード・シンガー、民謡歌手、作家、俳優の肩書きを持つそうで、映画「駅馬車」から「淋しい草原に埋めないでおくれ」を素朴なバンジョーの響きに乗せて切々と唄っています。 ブロードウェイの「ファニー・ガール」で活躍したというミミ・ハインズの「セプテンバー・ソング」は、上品でスケール大きく唄いあげています。 (2004.10.16) |
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第8巻 |
A面にはハワイアン音楽、B面には愛を慕う音楽が集められた「清澄のムード・慕情のメロディー」アルバムです。 強烈な熱さから逃れ、クーラーを効かせた部屋で避暑を楽しむのにいいですね。 ハワイアン音楽、近年ウクレレがブームになりましたけど、このアルバムではいずれの曲もスチール・ギターが多くフィルアップされています。 「サンゴ硝の彼方」「アロハ・オエ」「スイート・レイラニ」のザ・ニュー・ハワイアン・バンドには、ハーバート・オータ(日系人)がウクレレ奏者として参加しているそうです。 パール・アイヴスの「真珠貝の歌」もウクレレを持った写真が載っていますけど、音楽はスチール・ギター主体で甘く軽やかな声が魅力的です。 とにかくこのA面を聞いていると海に行きたくなります。 B面では、いつもごとくブレンダの「ブルー・ヴェルヴェット」がお気に入りなんですけど、ベン・ケーシーを演じた俳優ヴィンセント・エドワーズによる「アンチェイント・メロディ」に惹かれます。 少々端正で唱歌っぽい歌い口ですけれど甘い声が魅力的です。 またパッシー・クラインによる「砂に書いたラヴ・レター」も軽やかなムードを感じさせて、いずれも古き良きアメリカを感じる音楽。 ゆったりと暑い夏をすごしましょう。(2004.7.10) |
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第10巻 |
このシリーズにはサム・テイラーのテナー・サックス演奏のレコードが(手元にあるもので)2枚あります。 「陶酔のテナー・サックス」と名づけられたこのアルバムは、スタンダードやシャンソンなどの名曲をカヴァーしたもので、カクテルでもなめながらアフター・アワーズ過ごすのにはうってつけのレコードです。 まず、サム・テイラーについて。 サム(ザ・マン)テイラーとも呼ばれているようですけど、1960年代後半でしょうか、ハーレム・ノクターンの大ヒット。 独特で官能的なムードテナーの第一人者として、たびたび日本を訪れて日本の歌謡曲のカヴァーもしていました。 リアルではよく覚えていませんが、我が家がまだ電蓄(電気蓄音機の略、これが分かる人は同年代ですね)を使っていたころ、一家で心斎橋に行ったときに、我が母親が三木楽器の廃盤コーナーより「安かったから」という理由で買ったサム・テイラーのレコードがありました。 そんなことで我が家にステレオがやってくる以前から、サム・テイラーのサックスにはどこかしら馴染んでいました。 でも、大人の音楽やな、それに中学生にはちょっとエッチな感じもする官能的なサックスの音楽で、積極的に好きというのもではありませんでしたけれど。 でも今、こんな年齢になって聴いていると、昔のリッチな大人ってこんな感じのだったのかなぁ・・・なんて思いをはせ、ゆったりと時間をすごしたいときに聴くのにはいいものです。 と、こんな話はここまでにして曲紹介、「ラヴァー・カム・バック・トゥ・ミー」は、シグムント・ロンバーグが作ったスタンダード・ナンバーの名曲です。 ここでは女性コーラスと官能的なサックスのかけあいがいいですね。 「マーニー」はヒッチコックの同名のサスペンス映画の主題曲。 さすがにミステリアスな味わいが感じられます。 そして、「サン・トワ・マミー」(さんま・玉緒・美代子でお馴染みの曲ですね)「ラスト・ダンスは私と」は、いずれも越路吹雪さんの歌声が脳裏をよぎってしまいますが、お馴染みのシャンソン(これが分かるのも同年代)。 とにかく、金銭的には苦しくても、精神生活として余裕のあった時代の音楽しょう。 いずれの曲もゆったりと楽しめるのがいいですね。 僕はまだカクテルをなめるほど裕福ではありませんので、焼酎をちびちびやりながら聴いていますけれど。(2004.4.24) |
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第13巻 |
タイトルどおりラヴ・ソングや恋の音楽を集めた「恋のムード・哀歓のメロディー」アルバムです。 柔らかい陽射をあびながら春のひとときにはうってつけみたいです。 「この胸のときめきを」という文字を見るとエルヴィス・オン・ステージを連想してしまう世代ですけど、ここではブレンダ・リーがドラマティックに歌い上げてます。 ブレンダの歌はいつ聴いてもパワーがありますね。 「ナイト・アンド・デイ」での切れの良さ、「プリテンド」の伸びやかさが、すべてブレンダ色に染まってしまうような感じ。 ダイナマイト娘と呼ばれたのも頷かされます。 さてA面ではカーメン・キャバレロの「恋心」がタンゴ風なアレンジが魅力的。 この曲、シャンソンなんですが、「恋なんて、なんになるの〜」という歌詞で誰かさんが歌ってたようなんですけど誰か思い出せません。 「ジェラシー」は有名なコンチネンタル・タンゴですね。 ここでは大編成なストリングスで演奏されています。 B面ではサッチモの「バラ色の人生」がダントツに好きです。 今でも時々CM曲としても使われたりしますよね。 魅力的な歌、ラッパです。 僕が洋楽に興味を持ったときサッチモはまだ健在でしたけど、亡くなった事をラジオで聞いたとき、ニューオリンズで楽隊が街を練り歩くお葬式をしていた中継音を耳にしたのが印象に残っています。 やはり巨人でしたね。 巨人といえばグレン・ミラーもそうで映画「グレン・ミラー物語」はTVで見ましたけど、この「真珠の首飾り」はグレン・ミラー楽団員が参加したザ・ユニヴァーサル・インターナショナル楽団による映画のサウンド・トラックで楽しめます。(2004.4.4) |
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第5巻 |
柔らかく甘い歌がとても魅力的な「夢みるムード・追憶のメロディー」と題されたアルバムです。 刺激的なことの多い現代、ほっこりとするような気分にさせてくれます。 いきなりアカデミー音楽賞を受賞したヴィクター・ヤング楽団による「世界一周」は個人的にはちょっと違和感を憶えますが、これも音楽の世界への出発と考えましょう。 そして舞台はパリに飛んでビング・クロスビーによる「セ・シ・ボン」。 名唱ですね、ソフトな声がしみいってきます。 ソフトで甘い声ならアール・グラント、「ランブリン・ローズ」は明るく「モナ・リサ」はナット・キング・コールとは一味違った爽やな歌で楽しめます。 こんなラヴ・ソングってほんと最近ないですよね。 次ぎにダイナミックな歌がお手のもののブレンダ・リーも「マイ・プレイヤー」ではせつせつと女心を歌ってます。 そして「誰かが誰かを愛してる」がパンチの効いた素適なバラードですね。 よく透る声をすっと引くような巧い歌唱が好きです。 この歌に続く、リック・ネルソンの「アイ・ウィル・フォロー・ユー」がまた素晴らしい。 この魅力的な声を聴くと当時の人気がわかるような気になりますね。 このアルバムは歌ものを中心に聴いてしまうのですが、インスト曲も楽しめるものが多く、「ムーン・リヴァー」はソプラノ・サックスをヒューチャーした演奏がしみじみとさせます。 また「タミー」は前半ストリンクス、後半はやはりソプラノ・サックスでしょうか(アルトかな?)独特の音色でロマンティックで泣かせる曲にしあげています。 ムード音楽と安っぽく思われがちですけど、それぞれに音楽のドラマを感じさせてくれるアルバムです(2004.3.20) |
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第9巻 |
なんか妖しいジャケット写真で退いてしまいますが、収録された音楽はいずれも美しいものばかりです。「夜のムード・感傷のメロディ」と題されてますが、朝から聴いていいですよ。 冒頭のウエイン・キング楽団による「スター・ダスト」はロマンティックな演奏ですし、続く「夜のストレンジャー」のブレンダもムード満点に歌っています。 歌ものでは、ペギー・リーって名前が懐かしいですね。「ローマの秋」は映画「終着駅」の主題歌です。 B面にはロレッタ・リンって名前もあります。 ロレッタのことは数年前に映画になったのでちょっと認知さるようになったかな。 「シークレット・ラブ」の伸びの良い歌声がほんと素晴らしいですよ。 歌ものの最後として、アール・グラント。 彼の歌う「ジ・エンド」はスロー・バラードで、甘い歌声に魅了されます。 このあたりの歌は中学時代によく聴いてたんで、歌謡曲なんて下らない、なんて嘯いてた頃です(お恥ずかしい)。 さて、インストゥルメンタルに戻って、このアルバムで一番有名なのはベニー・グッドマンの「メモリーズ・オブ・ユー」でしょう。 映画「ベニー・グッドマン物語」の主題歌で、お洒落な大人の音楽ですね。 それと比べ、ザヴィア・クガート楽団の演奏による「夜のストレンジャー」は、エレキ・ギター、ハモンド・オルガンが加わったカッコイイ音楽です。 ザヴィア・クガート楽団って好きなんですよ。 で、最後は「センチメンタル・ジャーニー」。 どうも松本伊代のイメージがついて困ってしまうんですけど(伊代ちゃんのも好きなんですけどね)、ジャン・ギャーバー楽団の演奏は柔らかで、ダンサブルな音楽が素適です。 昔のダンス音楽ってこんな感じやったなぁ〜って思います。(2004.3.6) |
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第12巻 |
以前は映画音楽というジャンルがありましたよね。 この「ダイナミックムード・心うつメロディー」の前半は映画音楽です。 標題のとおりスケールが大きく、格調高い音楽が満載です。 「モア」は「世界残酷物語に使われた曲で、ブレンダの情熱的な歌声で迫ってきます。 「黄金の腕」は同名映画のテーマ曲、サントラ盤ですね。 「栄光への脱出」も同名映画のテーマ曲、実家にはパット・ブーンのライブ録音盤(17cmLP)を持っててこちらのほうが個人的にお馴染みです。 「第三の男」というとアントン・カラスのツィター演奏が有名ですが、ここではガイ・ロンバートのギターを中心にした演奏もなかなかです。 「シェーン」のテーマ曲は作曲者のヴィクター・ヤングによるもの。 ヴィクター・ヤングってちょっとしたブランドだったんですけどね、ニーノ・ロータと違ってちょっと忘れられてしまった感もあるんじゃないかな。 A面最後は西部劇「誇り高き男」ですが、盲目のフレッド・ローリーの口笛は超絶技巧、すごいもんです。 B面はちょっと寄せ集め感もありますが、ザ・トロバドール・オブ・スペインによる華麗なトランペットを中心にしたブラスによる「恋はみずいろ」はお気に入りです。 実家にはパーシー・フェイスのレコード(17cmLP)も持っていたんじゃないかな、中学時代にはけっこう流行っていたように思います。 「ミッシェル」はビートルズの曲ですが、ここではサミー・ケイによるダンス音楽になっています。 これもごきげんです。 最後の「ブルーベリー・ヒル」、今でもCMに使われたりしますが、サッチモの独特のダミ声とフィーリングは今でも大好きです。(2004.2.8) |
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第4巻 |
この「華麗なムード・軽快なメロディー」と題されたアルバムの内容も明るく、しかもリズミックな曲が多くてうきうきした気分になれます。 「ティー・フォー・トゥー」のウォーレン・コヴィントンとザ・トミー・ドーシー楽団の演奏は、チャチャチャのリズムに乗せてヒットしたものです。 また中学生の時、技術の時間でラジオ・キットを作り、校庭で始めて鳴らしたら偶然にもこの演奏がかかって嬉しかったという意味でも想い出深い演奏です。 そんな個人的なことは置いといても楽しい演奏に違いありません。 同じチャチャチャのリズムでは、ザヴィア・クガートの演奏による「恋はリズムにのせて」は大人のムードのかっこ良さが光ってます。 エレキ・ギターやハモンド・オルガン、テナー・サックスが巧く扱われてます。 「マンボ第5番」「マイアミ・ビーチ・ルンバ」その名に示すとおりマンボやルンバも大人の音楽でしょう。 前者ではトロンボーン独特の演奏にコーラスも入ったゴキゲンな演奏、後者はピアノ、ベース、ドラムスのトリオ演奏が軽快です。 もうひとつピアノ・トリオ演奏ではカーメン・キャバレロによる「マック・ザ・ナイフ」が素適で、何度でも聴きたくなります。 ところでこの曲、クルト・ワイルというドイツの作曲家が戯曲作家のブレヒトと組んで1928年に作曲した「三文オペラ」の中の曲なんですが、とても軽快なリズムが素適です。 ちなみにオリジナル・オーケストレーションによる演奏もまた可愛らしいんですよね。 「ジャンバラヤ」「サイド・バイ・サイド」でのブレンダ・リーのコクのある歌いっぷリも変わらずなんですが、前者はブレンダの出世作。 カッコいい歌いっぷリはカーペンターズの比じゃないみたいです。(2004.1.31) |
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第6巻 |
中学生の頃、父親に買ってもらった中古ステレオにオマケとして付けられていたのがこの「世界のゴールデン・ヒット・ナンバー集」でした。 その中でもこの水着姿のお姉さんのレコード(第6巻)を一番よく聴いたのではないでしょうか。 「爽快なムード・躍動のメロディー」という標題のとおり明るくて爽やかで、気持ちいい音楽がいっぱい集まっています。 このテのオムニバス・レコードをかけるとき、まず1曲目が大切だと思うのですけど、その点「サニー・サイド」はほんとうに素適な演奏です。 解説にはヘンリー・ジェローム楽団はブレインズ・ブラスと呼ばれるステレオ効果を生かした演奏が全米レコード界の名物だと書かれていますが、文字通りの明るく爽やかな演奏なんですね。 続くブレンダ・リーによる「ハロー・ドーリー!」ですが、こちらは有無を言わせない感じ。 パンチの効いた押しの強い歌唱にジャズフレーバーが効いています。 「アンナ」ではシャンペン(?)をグラスに注ぐ音を効果的に使った出だしが粋でお気に入りです。 「茶色の小瓶」はグレン・ミラー楽団の編曲に似ていると思っていたんですが、解説を読むと旧メンバーを多数加えたサントラ盤による音源みたいですね。 道理で似ているのは当然でしょう。 と書いてゆくとキリが無くなるので・・・さくっと・・・このレコードで一番気に入っている曲は、サミー・ケイ楽団による「ユー・アー・マイ・サンシャイン」「マイ・ブルー・ヘブン」で決まり。 何よりこの2曲にはソロとコーラスが入っていますしね。 きちんとは唄えないのだけれど、一緒にちょっと低い声で「ユー・アー・マイ・サンシャイン〜♪」なんて口ずさむとき、あったかい想いが胸にぱっとひろがってきて幸せな気持ちになれるんですよ。 いい歌・曲ですよね。 (2004.1.24) |
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